2016年1月26日火曜日

説教集C2013年:2013.1.26.藤沢の聖心の布教姉妹会で

第1朗読 テモテへの手紙二 1章1~8節
または、テトスへの手紙 1章1~5節
福音朗読 ルカによる福音書 10章1~9節

    私たちの住んでいる今の世界は、次第に終末的様相を濃くしています。創世記128節には、人祖をご自身に似せて創造なされた神は、彼らを祝福して「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物を全て支配せよ」と言われましたが、現代では人類が70億人を超えて全世界に広まり、水や食物やその他の資源やエネルギーにも不足し始めている程に大地に満ちています。しかも人類は、高度に発達した現代科学や技術革命でこの地球上の殆ど全ての情報を入手し、この地球に住む全ての生き物、動植物を意のままに支配しているようです。従って、創世記1章に読まれる神のお言葉は、そのまま実現していると考えてよいのではないでしょうか。しかし、私たち人間の生活を極度に便利にし豊かにして来たこの現代文明の進歩は、今や飽和状態に近付いており、神はこの世における人類文明のこれ以上の進歩発展は御望みになっておらず、この世の人類もその他の被造物もこれまでの一切の苦労や病や苦しみなどから解放されて、これからは神が栄光の内に支配しておられるあの世で、永遠に神と共に仕合わせに生きることを望んでおられると考えてよいのではないでしょうか。20世紀の終りに、現代科学がヒトゲノムまで解明して、創造神の御業の素晴らしさを明らかにした時、即ち何億という数の遺伝子情報が人間の体のごく小さな各細胞に書き込まれていることを立証した時、私は人類が創造の神の御業の素晴らしさをここまで明らかにした以上、人類がこの世で神の御業を研究して神を讃える使命は、もう終わりに近いのではないかと思いました。遠からずキリストの再臨する世の終りとなり、これからは私たちの本当の仕合わせな人生が始まるあの世に復活する時代になるのではないか、考えました。
    ヨハネの第一書簡には、「終りの時」に反キリスト、即ち悪霊たちが多く現れて活動するかのように記されていますが、これからの大きな変わり目の時代には、これまでになかったような新しい形の犯罪や災害が多発するかも知れません。日々祈りによって神と聖母マリアにしっかりと繋がれていましょう。聖母が、悪霊のわなから私たちを護り導いて下さると信じます。ルカ福音21章に主は、キリスト再臨の徴として「民は民に、国は国に逆らって立ちあがり、また大地震があり、方々に疫病や飢饉が発生するであろう」「日と月と星にしるしが現れ、地上では海が逆巻き荒れ狂うので」「人々はこの世界に何が起こるのかと怯え、恐ろしさと不安のあまり気を失うであろう。云々」「これらの事が起こり始めたら、恐れずに頭を上げなさい。あなた達の贖いの時が近づいているからである」と話しておられます。主のこのお言葉を忘れずに、身近に何かの災害や危険が発生したような時には、恐れずにすぐ神に心を向けて祈る習慣を今から身につけていましょう。主の予言なされた出来事は既に世界の各地に起こり始めている、と考えてよいかも知れません。しかし、「悪のいや増す所には、神からの恵みもいや増す」と言われています。恐れずに神との心の繋がり、羊飼いの声に聴き従う生き方を、日々の生活の中に根付かせるよう、実践的に努めていましょう。主も聖母も、そのように生きる信仰の人を必ず護り導いて下さいます。

    この世の政治の限界。原子炉の即時撤廃は、日本産業を凋落させ20万人も失業。しかし核廃棄物の処理には数百年必要。それに地震国の日本には巨大地震のエネルギーも火山爆発のマグマも蓄積中。Ps.18.18.災いの日には、神が支えて下さる。